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急性気道感染症(風邪)

風邪・発熱

診療ガイドラインに基づくセルフケアと対処法

知っておきたいポイント

風邪(急性気道感染症)は、ほとんどがウイルス性で自然に治ります。
抗菌薬(抗生物質)は効果がありません。
発熱、咳、のどの痛みには適切な対症療法(解熱鎮痛薬、咳止め、去痰薬など)で対応します。
症状がある場合は、すぐに医療機関にご相談ください。
0次レベル 風邪をひきやすいからだの特徴を知る
自律神経と免疫力
自律神経と免疫力
自律神経のバランスが乱れると、免疫力が低下し風邪をひきやすくなります。交感神経と副交感神経のバランスを整えることが予防の第一歩です。
ストレス
ストレスと風邪の関係
慢性的なストレスは免疫細胞の働きを抑制します。「忙しい時期に風邪をひく」のは偶然ではなく、ストレスによる免疫低下が原因です。
チェックリスト
自分の傾向を知る
• 季節の変わり目に風邪をひきやすい
• 睡眠不足が続くと体調を崩す
• ストレスが溜まると風邪をひく
自分のパターンを把握しましょう。
1次レベル セルフケアで風邪を予防する
睡眠
十分な睡眠
睡眠不足は免疫力を大幅に低下させます。7〜8時間の質の良い睡眠を確保しましょう。寝る前のスマホは避け、規則正しい睡眠リズムを。
食事・栄養
バランスの良い食事
ビタミンC、ビタミンD、亜鉛を含む食品を積極的に摂りましょう。腸内環境を整える発酵食品も免疫力アップに効果的です。
手洗い・うがい
手洗い・うがい
外出から帰ったら必ず手洗い・うがいを。手洗いは20秒以上、石鹸を使って指の間や爪の間もしっかり洗いましょう。
加湿
適度な加湿
乾燥した環境ではウイルスが活発になり、のどの粘膜も弱くなります。室内の湿度は50〜60%を目安に保ちましょう。
運動
適度な運動
適度な運動は免疫力を高めます。ただし、激しすぎる運動は逆効果。ウォーキングやヨガなど、無理のない運動を習慣に。
予防接種
予防接種
インフルエンザの予防接種は毎年受けましょう。流行前(10〜11月頃)の接種がおすすめです。高齢者や持病のある方は特に重要。
2次レベル 症状を知る

風邪の症状は?

急性気道感染症の病型分類(厚生労働省「抗菌薬の適正使用」より)

感冒
感冒(いわゆる風邪)
• 鼻水・鼻づまり
• くしゃみ
• のどの軽い痛み
• 軽い咳
• 微熱
鼻副鼻腔炎
急性鼻副鼻腔炎
• 鼻水・鼻づまり
• 顔面痛・頭痛
• 嗅覚低下
• 後鼻漏(鼻水がのどに流れる)
咽頭炎
急性咽頭炎
• のどの痛み
• 発熱
• のどの赤み
• 扁桃の腫れ

注意すべき症状

以下の症状がある場合はすぐに医療機関にご相談ください

相談
すぐに相談すべき症状
• 呼吸困難、息切れ
• 高熱(38.5℃以上)が3日以上続く
• 顔色が悪い、唇が紫色
• 意識がもうろうとする
• 水分が取れない
• 激しい頭痛
• 胸の痛み
チェック
診察を検討すべき場合
• 症状が7〜10日以上続く
• 症状が悪化している
• 高齢者や基礎疾患がある
• 咳に血が混じる
• 耳の痛み(中耳炎の可能性)
セルフケア
セルフケアで対応可能
• 軽い鼻水、咳
• 微熱(37℃台)
• 軽いのどの痛み
• 症状が改善傾向
• 水分・食事が取れている
• 普段通り生活できる
3次レベル 風邪を上手に治す

市販薬の選び方

症状に合わせて適切な市販薬を選びましょう

発熱
発熱・痛み
解熱鎮痛薬:
• アセトアミノフェン
• イブプロフェン
• ロキソプロフェン

※空腹時の服用は避けてください
鼻水・鼻づまり
鼻水・鼻づまり
アレルギー性鼻炎の薬:
• 抗ヒスタミン薬(第2世代)
• 鼻炎用内服薬

※効能適応外ですが、症状緩和に用いられます
咳・痰
咳・痰
咳止め・去痰薬:
• メジコン(咳止め)
• ムコダイン(去痰薬)

※咳が2週間以上続く場合は医療機関にご相談を
薬
のどの痛み
のどの痛みに:
• トラネキサム酸
• のどスプレー・トローチ
• うがい薬

※痛みが強い場合は解熱鎮痛薬も併用

抗菌薬(抗生物質)について

風邪にはほとんどの場合、抗菌薬は不要です

実は抗菌薬の使用は推奨されていない!
風邪(急性気道感染症)の約90%はウイルス性です。
抗菌薬(抗生物質)はウイルスには効果がありません。

ただし:
① 急性咽頭炎で咽頭の検査をして溶連菌が検出されれば、抗菌薬OK
② 急性気管支炎を疑う場合、レントゲン検査を行った上で、抗菌薬の使用の検討を行う

むやみに抗菌薬を使うと、薬剤耐性菌が増える原因になります。

費用の目安を知る

受診とセルフケア、それぞれの費用感を把握して賢く選びましょう

🏥 医療機関を受診した場合
約2,000〜3,500円/回(3割負担・初診)
内訳の目安:
• 初診料:約870円(291点)
• 処方箋料:約180円(60点)
• 調剤基本料:約135円(45点)
• 薬学管理料:約180円(59点)
• 薬剤料:約200〜500円

メリット:
• 医師による正確な診断
• 症状に合った処方薬
• 他の疾患の早期発見

※再診の場合は再診料75点となり、約1,500〜2,500円程度です
💊 ドラッグストアでセルフケア
約600〜1,500円/回
費用の目安:
• 総合感冒薬:約600〜1,500円
 (パブロン、ルル、ベンザブロック等)
• 症状別薬:約400〜1,000円
 (解熱鎮痛薬、咳止め、鼻炎薬等)

メリット:
• 待ち時間なしですぐ購入可能
• 薬剤師に相談できる
• 費用を抑えやすい

※セルフメディケーション税制の対象商品なら、年間12,000円超の購入分が所得控除の対象になります
📋 計算根拠

・医療機関の費用は、厚生労働省「令和6年度 医科診療報酬点数表」の初診料291点、処方箋料60点、および「令和6年度 調剤報酬点数表」の調剤基本料45点、薬学管理料59点をもとに、3割負担で算出しています。
・薬剤料は、薬価基準に収載されている一般的な総合感冒薬(PL配合顆粒等)の薬価をもとにした目安です。
・市販薬の価格は、一般的なOTC医薬品(第1類〜第2類医薬品)の標準的な店頭価格帯です。
・実際の費用は、検査の有無、薬の種類・数量、医療機関・薬局によって変動します。
⚠️ 費用の安さだけで判断しないでください。高熱が3日以上続く場合、症状が悪化している場合、持病がある方は、迷わず医療機関を受診してください。

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📚 参考文献・出典
• 厚生労働省「抗菌薬の適正使用」
• 日本感染症学会「抗微生物薬適正使用の手引き」
• 日本呼吸器学会「咳嗽に関するガイドライン」
• 日本耳鼻咽喉科学会「急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン」
• 厚生労働省「令和6年度 医科診療報酬点数表」
• 厚生労働省「令和6年度 調剤報酬点数表」

最終更新日: 2026年3月
⚠️ 免責事項
このページで提供される情報は、医療行為ではありません。診療ガイドライン等に準拠した一般的な情報を提供するものであり、個別の診断や治療を目的としたものではありません。気になる症状がある場合や、医療についてご不安がある場合は、必ず医療機関を受診してください。また、市販薬を使用する際は、薬剤師にご相談ください。
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